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不動産所得の青色申告決算書の書き方|1〜4ページを順に

公開 2026年9月30日 / 大家のセンセイ 編集部

アパートやマンションを貸している個人の方が青色申告をするときは、確定申告書と一緒に青色申告決算書(不動産所得用)を出します。全部で4ページあり、1ページ目が損益計算書、2〜3ページ目がその内訳、4ページ目が貸借対照表です。この記事では、令和7年分(2026年に提出する申告)の様式に沿って、各ページに何を書くか、帳簿のどこから数字を拾うかを順に説明します。

書く順番

1ページ目の数字の多くは、2〜3ページ目の内訳の合計です。そのため、内訳(2・3ページ目)を先に作り、合計を1ページ目に写すと手戻りがありません。

  1. 帳簿(仕訳)を1年分そろえる。管理会社の収支報告書、領収書、返済予定表などが材料です。
  2. 2ページ目の「収入の内訳」を部屋(賃借人)ごとに作る。
  3. 3ページ目の減価償却費、借入金利子、地代家賃、報酬の内訳を作る。
  4. 1ページ目に収入と経費を写し、所得を出す。
  5. 65万円(または55万円)の控除を受ける場合は、4ページ目の貸借対照表を作る。

1ページ目:損益計算書

その年(1月1日〜12月31日)の収入と経費を書きます。

収入金額

欄書くこと帳簿のどこから
賃貸料家賃・共益費・駐車場代など収支報告書の賃料収入(管理手数料を引く前の額)。未収・前受は次の注意を参照
礼金・権利金・更新料返さなくてよい一時金収支報告書の礼金・更新料の行
空欄の行名義書換料・その他の収入自動販売機の設置料など
管理会社から振り込まれる額は、管理手数料や修繕費を差し引いた後の額です。収入は差し引く前の額で書き、管理手数料・修繕費は経費の側に書きます。振込額をそのまま収入にすると、収入も経費も少なく出ます。敷金・保証金のように退去時に返すものは収入に入れません。
いつの収入にするか:家賃は原則として、契約で決めた支払日がその年に来たものを収入にします(支払日の定めが無ければ、実際に受け取った日)。12月分の家賃がまだ入金されていなくても、支払日が12月なら今年の収入です。収支報告書は「入金した月」でまとめていることが多いので、年末の未収・滞納の分は足し、支払日が来年のものは除きます。経費も同じで、その年に支払うことが確定した額(年内に請求を受けた修繕費など)が今年の経費です。

必要経費

印字されている科目は、租税公課・損害保険料・修繕費・減価償却費・借入金利子・地代家賃・給料賃金です。そのあとに科目名を自分で書く空欄が5行あり、管理委託費・広告宣伝費(AD)・水道光熱費・通信費など、金額の大きい科目を書きます。書ききれない科目は「その他の経費」にまとめます。

所得金額

収入から経費を引いた「差引金額」から、専従者給与を引き、青色申告特別控除を引いたものが所得金額です。不動産所得が赤字の年は、欄外の「土地等を取得するために要した負債の利子の額」も書きます(借入金利子の記事で説明しています)。

2ページ目:収入の内訳・給料賃金

「不動産所得の収入の内訳」は、賃借人(部屋)ごとに1行で書きます。列は次のとおりです。

列材料
貸家・貸地等の別、用途、所在地物件の情報(アパート・住宅用など)
賃借人の住所・氏名レントロール(入居者一覧)
賃貸契約期間、貸付面積レントロール・賃貸借契約書
賃貸料(月額・年額)月額はレントロール、年額は収支報告書の部屋ごとの行を1年分足したもの(未収の分も含める)
礼金・権利金・更新料、名義書換料・その他収支報告書の部屋ごとの行
保証金・敷金(期末残高)レントロールの敷金

年の途中で入居者が替わった部屋は、賃借人ごとに分けて書きます。この表の年額の合計が1ページ目の「賃貸料」と合うかを確かめると、転記の漏れに気づけます。

同じページに「給料賃金の内訳」と「専従者給与の内訳」もあります。家族に給与を払っている場合に書きます(専従者給与は、事業的規模の貸付けで届出をしている場合に限られます)。

3ページ目:減価償却・借入金利子・地代家賃・報酬

減価償却費の計算

建物・建物附属設備・構築物・器具備品などを1行ずつ書き、取得価額、償却方法、耐用年数、償却率、本年中の償却期間(月数)、本年分の償却費、未償却残高を記入します。合計が1ページ目の「減価償却費」になります。計算の仕方は減価償却の記事で説明しています。

借入金利子の内訳(金融機関を除く)

表の題にあるとおり、銀行・信用金庫などの金融機関からの借入は書きません。親族や知人など、金融機関以外から借りている場合だけ書きます。1ページ目の「借入金利子」には、金融機関からの利子も含めた全部を書きます。

地代家賃の内訳

借地の地代などを払っている場合に、支払先・賃借物件・本年中の支払額などを書きます。

税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳

税理士報酬などを払っている場合に、支払先ごとに書きます。源泉徴収をした場合はその額も書きます。

4ページ目:貸借対照表

年初(期首)と年末(期末)の資産と負債を並べる表です。65万円・55万円の青色申告特別控除を受ける場合は必ず記入します(10万円の控除なら不要です)。

項目材料
預金事業用の口座の残高(年初・年末)
建物・建物附属設備など3ページ目の未償却残高(年末)と前年末の残高(年初)
土地土地の取得価額
借入金返済予定表の残高(年初・年末)
事業主貸・事業主借家計とのお金の出入り(年末だけ)
元入金年初の資産 − 年初の負債

左右の合計は必ず一致します。一致しないときは、年初の残高か、家計とのお金の出入りの記帳に漏れがあることが多いです。

青色申告特別控除はいくらか

令和7年分の青色申告特別控除は65万円・55万円・10万円の3段階です。不動産所得で55万円・65万円を受けるには、貸付けが事業として行われている(事業的規模)こと、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添えて期限内に申告することが必要です。65万円はさらに、e-Taxで提出するか、優良な電子帳簿の要件を満たして保存し、その旨の届出書をその年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに提出していることが条件です。

事業的規模かどうかは、おおむね「貸室10室以上」または「独立家屋5棟以上」が目安です(社会通念上の判断もあります)。事業的規模でない貸付けだけの場合、控除は最高10万円です。

令和9年分からは制度が変わり、控除額は75万円・65万円・10万円になります(65万円以上はe-Taxでの提出が必要になり、55万円の区分は無くなります)。この記事の説明は令和7年分の制度です。

決算書は、材料さえそろっていれば写す作業です。収支報告書・レントロール・返済予定表・領収書を1か所に集めておくと、1〜4ページの数字がまとめて出せます。

※ 本記事は一般的な制度の説明です。個別の事情による取り扱いは、所轄の税務署または税理士にご確認ください。

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出典・参考